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2016年11月15日 白山火山防災 地域学習会・意見交換会を開催しました


■白山火山防災 地域学習会・意見交換会

■日時:2016111510:30-16:30

■場所:石川県白山市 鶴来総合文化会館クレイン

■学習会:田村洋一氏(たむら銀かつ亭代表取締役)「火山活動と温泉観光」

    白峰小学校6年生「白山火山について」

    白峰小学校5年生「地すべりは白峰のくらしとどう関係があるか?」

 

  第二回目の地域学習会・意見交換会となった白山のワークショップには、行政防災担当者及び砂防部局、気象台、観光協会、警察、消防等の火山防災協議会メンバーの他、白山手取川ジオパーク関係者、小中学校関係者、地域の区会関係者等、多数の機関から様々な方々が参加しました。また、今回は地元ケーブルテレビの方にも参加者として意見交換会に加わっていただきました。第一回目の焼岳に続いて、参加者数が54名にのぼる盛会となりました。前半の学習会は一般にも公開しており、他10名ほどの一般参加がありました。

  学習会の講師は、箱根強羅観光協会専務理事でもあるたむら銀かつ亭代表取締役田村洋一氏で、「火山活動と温泉観光」という演題でご講演いただきました。また、本プロジェクトの一環として火山防災授業を行ってきた白山市白峰小学校の56年生による発表もありました。


「白山火山について」白峰小学校6年生

  白峰小学校6年の児童たちが、これまでの火山防災授業で学んだことを発表しました。サイダーを使った噴火実験、小麦粉を火山灰に見立てた、噴火後の土砂崩れの起こりやすさを示す実験、3Dプリンターで作成した白山の模型を使った融雪型火山泥流の実験などをビデオで紹介しました。また、自分たちで作成した白山に関する防災パンフレットや防災カルタ、防災グッズをカードにした神経衰弱ゲームの紹介もありました。白山の最新の噴火は何年前か?白山の現在の噴火警戒レベルは?など、児童から参加者に白山についてのクイズを出す場面もあり、一般参加の来場者も楽しんでいました。

「地すべりは白峰のくらしとどう関係があるか?」 白峰小学校5年生

  5年生の児童たちが、白山の火山地形の概要を紹介し、広い範囲で地すべりがおきていて年間10cmも動いていることを示しました。また、白峰地域に昔からある「出作り」という暮らし方について取材したことを発表しました。「出作り」とは山地で作物を作るために、その期間、山地に住む暮らし方です。児童たちが調査した結果、地すべり地形と出作りの場所は一致しており、昔から白峰地域の人々は、地すべりでできた、なだらかな広い斜面を農業に利用してきたことがわかりました。火山防災の集まりではあまり意識しない、火山の恵みや地域の暮らしとのつながりの話を聞くことができました。

 


「火山活動と温泉観光」田村洋一氏

  箱根強羅地区で観光業を営む田村洋一氏が2015年の大涌谷の噴火をめぐる報道、行政、観光業者、観光客の動きをふりかえり、その後の箱根強羅地域における火山防災と観光復興の努力や対策についてご講演されました。

  温泉観光地としての箱根、神奈川県温泉地学研究所の観測網、箱根山の噴火史などをご紹介いただいた後、昨年(2015年)の大涌谷噴火時の行政からの連絡の混乱や、東京のマスメディアの報道による風評被害など、当時の体験をお話いただきました。また、噴火をきっかけに地元が団結し、温泉地学研究所とのつながりができ、火山への理解が深まったことや強羅エリア独自の火山防災協議会の結成、外国人観光客対応を含めた避難誘導マニュアルの作成、地区での自主避難訓練の実施、火山地域の観光業を守るための共済・保険の提案、火山温泉サミットの開催など、その後の積極的な活動についてもご紹介いただきました。火山地域では、その地形や温泉を活かした観光が盛んであり、噴火が起こったときの地元経済への影響が大きいため、特に共済・保険の提案が参加者の興味を集めていました。



 
 
午後の意見交換会では、観光業を中心とする地域事業者、住民の方々、教育関係者等と火山防災協議会関係者が火山防災の現状を共有するとともに課題、背景、解決策についての意見を交換しました。それぞれ「火山防災教育」、「情報発信・風評被害」、「避難」の課題について
2グループずつ、計6つのグループに分かれて話し合いました。

  火山防災教育については、住民の危機意識が希薄であり、ハザードマップを配布しても認知活用されておらず、住民への説明の機会付与が必要との意見が出ていました。また、白峰小学校での授業のように地域特性に即した防災教育が意識付けに重要との意見も出ていました。昨年度のワークショップで問題となっていた登山者への啓発については、白山だけのその場限りでの啓発では、なかなか防災意識につながらず、活火山として全国統一的な周知方法が必要との意見が出ていました。

  情報発信・風評被害については、行政と観光業者が同じ情報を持ってお客さんにた対応することが望ましいとの意見が出ていました。風評被害についても正確な情報をいかに早く皆で共有できるかが風評被害の対策になるという意見が出ました。

  避難については、行政は現場と離れていて適切な指示が出せるのかという意見が出て、噴火警戒レベルに応じた対応を行い、全体に想定外のことをなくすといった対応策が提案されました。また、携帯電話通信エリアについて一里野、中宮方面が手薄である等、行政関係者による意見交換会と比べて、より具体的な議論が行われました。

 今回、ステークホルダーが参加することにより、住民の防災意識について具体的な状況がわかり、避難についてもより具体的な議論になりました。また、これまであまり議論されていなかった風評被害とその対策について議論することができました。


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プロフィール
臨床環境学の手法を応用した火山防災における課題解決の開発

課題名

臨床環境学の手法を応用した
火山防災における
課題解決法の開発

地域名

岐阜県、長野県、石川県

団体名称

名古屋大学大学院環境学研究科

代表者名

山岡耕春(名古屋大学・地震火山研究センター)

参画者名

  • 中村秀規(名古屋大学・持続的共発展教育研究センター)
  • 杉下尚(岐阜県 山岳遭難・火山対策室長)
  • 平松良浩(金沢大学・教授)
  • 大見士朗(京都大学・准教授)
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