■白山火山防災協議会 学習会・ワークショップ
■日時:2015年11月28日
■場所:石川県白山市 鶴来総合文化会館クレイン
石川県、岐阜県、福井県の自治体等から白山火山防災協議会のコアメンバーを中心に39名が参加しました。今回は、防災担当者だけでなく、関係自治体の環境部局や砂防部局、白山手取川ジオパーク推進協議会、気象台、河川国道事務所からも参加がありました。今回の学習会・ワークショップは、白山の地域火山防災に関わるメンバーが、学習会を通して火山防災の事例(富士山)を学び、ワークショップを通して、白山の地域火山防災の課題を共有し課題解決に向けた意見交換を行うことを目的に行いました。また、今後、一般地域ステークホルダーとどのような形で対話、協働を行っていくべきか、意見交換しました。
前半の学習会では、静岡大学 岩田孝仁教授に「富士山の火山防災-70万人と7千人の課題-」という演題でご講演いただきました。1989年の伊東市の群発地震と手石海丘海底噴火の事例や富士山の具体的な火山防災体制(想定される噴火、ハザードマップ、避難計画など)について詳しくお話いただきました。最大70万人の住民と7千人の観光客の避難計画、80機関が参加した火山防災協議会、90機関、約3900人が参加した三県合同避難訓練の様子など、規模の大きな火山ならではの火山防災の大変さがうかがわれました。避難計画や防災訓練、教育啓発など、今回の白山ワークショップで扱う課題が、富士山においても主要な課題として取り上げられており、今回の参加者にとって大変参考になる内容でした。
ワークショップでは、10月28日に行われた行政防災担当者ワークショップの白山グループで議論された内容を踏まえて、A火山防災情報伝達、B避難計画策定・訓練・実施、C防災教育・知識普及の3グループに分かれてこれらの課題の具体化に関する意見交換を行いました。Aの情報伝達とB避難計画で共通する課題として、特に噴火時の登山者に対する情報伝達の方法について、様々な具体案が出ていました。Cの防災教育については誰が、誰に、何を教育するのかが整理され、火山防災教育の指導者の養成の問題や学校教育のカリキュラムとの兼ね合い、登山者への知識普及の問題などが議論されました。
ステークホルダーとの対話・協働に関しては、意見が聞きたいステークホルダーとして、観光関係団体やツアーガイド、地域で活動する防災士、避難誘導のプロである警察・消防、情報伝達の担い手としての報道関係者などが挙げられていました。
今回のワークショップは、前回の行政防災担当者ワークショップでの議論より、問題が細分化・具体化され、踏み込んだ議論となり、今後の火山防災協議会や一般地域ステークホルダーと協働に向けて有意義なものとなりました。